計算ツールの使い方
- 基本情報を入力します。体重を入力し、いちばん近い性別の選択肢か「指定しない」を選びます。どちらもブラウザーの中にとどまります。
- 飲んだものを追加します。飲み物の種類をタップします。まとめて入力では杯数を数えて、いつ飲んだか(さきほどまで、昨夜、または自分で選んだ時刻)を指定します。1杯ずつ入力では1杯ごとに時刻を指定します。あらかじめ入っている値は目安なので、飲み物のラベルでアルコール度数を確認してください。
- 大きな数字だけでなく、推定範囲も見ます。大きな数字が中央推定値です。推定範囲は、アルコールの吸収や分解の速さが異なる人では結果がどの程度変わりうるかを示します。
昨夜の分を記録する場合も同じです。昨夜を選んで飲み始めと飲み終わりの時刻を直すか、1杯ごとに時刻を指定し、だいたいの時間しかわからない飲み物には「正確な時刻は覚えていない」を使います。詳しくは翌朝に残るアルコールをご覧ください。
血中アルコール濃度(BAC)とは
血中アルコール濃度(BAC、blood alcohol concentration)は、一定量の血液に含まれるアルコールの量です。日本や米国では%で表し、血液100mLあたりのアルコールのグラム数を意味します。0.08%は血液100mLあたり0.08gで、血液1mLあたり0.8mgと同じ値です。他の国では同じ量を別の単位で書きます。
| 単位 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| %(g/dL) | 血液100mLあたりのグラム数 | 0.08% |
| mg/100mL | 血液100mLあたりのミリグラム数 | 80mg/100mL |
| g/L | 血液1Lあたりのグラム数 | 0.8g/L |
| ‰(g/kg) | 血液1kgあたりのグラム数 | 0.76g/kg |
ここでの「%」は血液100mLあたりのグラム数を表す慣用的な書き方で、体積パーセントではなく、ヨーロッパの一部で使われる質量あたりのパーミル(‰)とも同じではありません。単位は設定で切り替えられます。計算は変わりません。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット, アルコールと交通事故 (Alcohol and traffic accidents)。
お酒はいつ抜けますか?
酔いが覚めた時刻を教えられる計算ツールはありません。このツールは、これ以上飲まなかった場合に血中アルコール濃度がほぼゼロに戻る時刻を推定し、その時刻を幅のある時間帯として示します。人によってアルコールを分解する速さが違うからです。法医学の指針は1時間あたり0.010~0.025%(g/dL)の範囲を使い、適度に飲む人の平均は1時間あたり約0.015%です。
出典:AAFS Standards Board, Best Practice Recommendation for Performing Alcohol Calculations in Forensic Toxicology; Jones AW, Evidence-based survey of the elimination rates of ethanol from blood with applications in forensic casework。
血中アルコール濃度がほぼゼロになっても、体が回復したという意味ではありません。二日酔いの症状は血中アルコール濃度がほぼゼロに戻ったころにピークを迎え、注意力、判断力、協調運動はなお低下していることがあります。コーヒーや冷たいシャワー、睡眠で体がアルコールを速く分解することはなく、解決するのは時間だけです。
出典:National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, Hangovers; National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, The Truth About Holiday Spirits。
運転の判断に使えない理由
運転能力は、各国で定められた基準値よりはるかに低い血中アルコール濃度でも影響を受け、自分の濃度を自分で正確に判断することはできません。下の表は、米国の道路交通安全局(NHTSA)が運転への予測できる影響として挙げているものをまとめたものです。
| 血中アルコール濃度(%) | 運転への予測できる影響 |
|---|---|
| 0.02 | 動いている物を目で追う力が弱まる。2つのことを同時に行うのが難しくなる。 |
| 0.05 | 協調運動が低下し、ハンドル操作が難しくなり、緊急時の反応が遅れる。 |
| 0.08 | 集中力、速度の調節、知覚が低下する。短期記憶が失われる。 |
| 0.10 | 車線を保ち、適切にブレーキをかける能力が低下する。 |
| 0.15 | 車両の操作と運転への注意が大きく損なわれる。 |
出典:National Highway Traffic Safety Administration, Drunk Driving。
飲んだら運転しないでください。体重と飲んだものの一覧から出した推定は、あなた個人については大きく外れることがあります。基準値は国によって異なり、能力の低下はどの基準値よりも前に始まります。英国運輸省ははっきりとこう述べています。基準値以下にとどまるために飲める量を、確実に計算することはできない、と。
出典:UK Department for Transport, THINK! Drink driving。
計算ツールの推定はどのくらい正確ですか?
この計算ツールは、わかっているアルコールの量を、集団の平均値を使って濃度の推定に変換します。3種類の数字が関わっていて、信頼できる度合いはそれぞれ違います。
- 確かめられる計算。飲み物に含まれるアルコールのグラム数は、量(ml)×(度数÷100)×0.789g/mlで求めます。飲み物の量と度数だけから計算するので、入力した量と度数が正しければ、この数字も正しくなります。
- モデルの仮定。アルコールが体のどれだけに広がるか、どのくらい速く吸収され、分解されるかは、公表された範囲から取っています。あなたを測ったものではありません。
- 個人差。食事、薬、体組成、遺伝、肝臓の状態、飲酒歴は、いずれも実際の曲線をずらします。モデルはこれらを一切尋ねず、補正係数も適用しません。国籍や言語で変わるパラメータもありません。お酒で顔が赤くなる体質のような酵素の違いも、個人差としてモデルの外にあります。
この計算ツールが従う法医学の基準は、ある時点でのその人の正確な分布容積と分解速度は知りえないとし、結果は1つの値ではなく範囲で示すべきだとしています。ここでのすべての結果に範囲が付くのはそのためです。範囲は、公表されたパラメータの範囲の中で結果がどう変わるかを示すものです(感度範囲)。信頼区間でも、保証された上限や下限でもありません。
出典:AAFS Standards Board, Best Practice Recommendation for Performing Alcohol Calculations in Forensic Toxicology; John Searle, Alcohol calculations and their uncertainty。
方法の全体、パラメータ、計算例は計算の仕組みと根拠にあります。
よくある質問
血中アルコール濃度はどう計算しますか?
ウィドマーク型のモデルを使います。これまでに吸収されたアルコールのグラム数を、体重×分布容積(男性のパラメータでは0.71L/kg、女性のパラメータでは0.58L/kg)で割り、体全体として1時間あたり約0.15g/L(0.015%)の一定の分解を差し引きます。1杯ごとのアルコールは一度に現れるのではなく、徐々に吸収されます。
出典:AAFS Standards Board, Best Practice Recommendation for Performing Alcohol Calculations in Forensic Toxicology; Maskell PD, Population ranges for the volume of distribution (Vd) of alcohol for use in forensic alcohol calculations。
最後の1杯の後も濃度が上がり続けるのはなぜですか?
飲むのをやめた後も、胃や腸にあるアルコールは血液に入り続けます。吸収が終わるまで、最後の1杯から最大で約2時間かかることがあり、最も高い濃度は最後の一口の後に来ることがよくあります。
出典:National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, Understanding the Dangers of Alcohol Overdose; AAFS Standards Board, Best Practice Recommendation for Performing Alcohol Calculations in Forensic Toxicology。
食事や水、コーヒーで血中アルコール濃度は下がりますか?
食事は吸収を遅らせ、ピークを低くすることがありますが、後から食べたり飲んだりしたもので分解が速まることはありません。コーヒーで目が覚めた気がしても、血中アルコール濃度も協調運動も変わりません。この計算ツールは食事をモデルに入れず、代わりに範囲で遅い吸収と速い吸収をカバーしています。
出典:National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, The Truth About Holiday Spirits; National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, The Basics: Defining How Much Alcohol is Too Much。
血中アルコール濃度0.08%は何杯分ですか?
体格、性別、お酒の強さ、時間によるので、決まった杯数はありません。おおまかな目安として、米国のNIAAAは血中アルコール濃度を0.08%以上にする飲み方を「ビンジ飲酒」と呼び、女性では米国の基準で4ドリンク以上(1ドリンク=14g)、男性では5ドリンク以上を約2時間のうちに飲むと、典型的にはこの濃度になるとしています。日本では厚生労働省が純アルコール10gを1ドリンクとしていて、500mlの5%ビールは2.0ドリンク、日本酒1合(180ml、15%)は約2ドリンクにあたります。以前からの「1単位」は日本酒1合に相当する約20gです。経験則ではなく自分の数値で計算ツールを使ってください。実際の飲み物は基準の1ドリンクより大きく、強いことがよくあります。純アルコール量の計算で、飲み物に含まれるアルコールの量がわかります。
出典:National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, The Basics: Defining How Much Alcohol is Too Much; National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism, What Is A Standard Drink?; 厚生労働省 e-ヘルスネット, 飲酒量の単位 (Units of drinking); 厚生労働省, アルコール換算表 (Alcohol conversion table)。
範囲はなぜこんなに広いのですか?
人による違いが大きいからです。ここで使う指針では、分解速度だけでも1時間あたり0.010~0.025%と2.5倍の開きがあり、体水分の割合も人によって違います。狭い範囲のほうが説得力があるように見えますが、正直ではなくなります。
飲酒記録はサーバーに送られますか?
いいえ。入力内容はこのブラウザーの中にとどまります。計算はお使いの端末の上で行われ、入力したものは何も送信されません。
記録はどこに、いつまで保存されますか?
このブラウザーのタブの中に、タブを閉じるまでです。「この端末に保存する」をオンにすると、削除するまでこのブラウザーに保存されます。設定の「データを削除」でいつでも消せます。詳しくはプライバシーの説明をご覧ください。
出典
- AAFS Standards Board. Best Practice Recommendation for Performing Alcohol Calculations in Forensic Toxicology. ANSI/ASB Best Practice Recommendation 122, First Edition, 2024. aafs.org (確認日:2026年11月6日)計算式(摂取量÷(Vd×体重))。性別ごとの分布容積の範囲。1時間あたり0.010~0.025g/dLの分解速度の範囲。結果を1つの値ではなく範囲で示すこと。0.020g/dL未満では直線的な分解が当てはまらない可能性があること。吸収が終わるまで最大2時間かかること。エタノールの密度0.789g/mL。
- John Searle. Alcohol calculations and their uncertainty. Medicine, Science and the Law 2015;55(1):58–64 (with erratum 55(2):145). pmc.ncbi.nlm.nih.gov (確認日:2026年11月6日)ウィドマーク式とその記号。テストの基準として使った計算例。計算の不確かさは一定の割合ではなく、濃度が下がるにつれて大きくなること。誤差の範囲を必ず示すべきこと。
- Maskell PD, Heymsfield SB, Shapses S, Limoges JF. Population ranges for the volume of distribution (Vd) of alcohol for use in forensic alcohol calculations. Journal of Forensic Sciences 2023;68(5):1843–1845 (letter). eprints.gla.ac.uk (確認日:2026年11月6日)分布容積の中央値:男性0.71L/kg、女性0.58L/kg。
- Jones AW. Evidence-based survey of the elimination rates of ethanol from blood with applications in forensic casework. Forensic Science International 2010;200(1–3):1–20. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov (確認日:2026年11月6日, 抄録のみ)適度に飲む人の平均的な分解速度として妥当な、1時間あたり15mg/100mL。生理的な範囲は10~35。20mg/100mLを超える濃度では、一定の速さで下がる(0次反応の)モデルで十分に表せること。
- National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA). The Basics: Defining How Much Alcohol is Too Much. niaaa.nih.gov (確認日:2026年11月6日)アルコールが吸収され、体に広がり、代謝されるしくみ。空腹の影響。女性と男性の体水分の違い。飲み物には思っているより多くのアルコールが含まれていることが多いこと。
- National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA). What Is A Standard Drink?. niaaa.nih.gov (確認日:2026年11月6日)米国の基準飲酒量(1ドリンク):純アルコール約14g(0.6米国液量オンス)。1杯の例。度数は同じ種類の飲み物の中でも、種類によっても異なること。
- National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA). The Truth About Holiday Spirits. niaaa.nih.gov (確認日:2026年11月6日)最後の1杯の後もアルコールは血液に入り続けること。コーヒーで酔いは覚めないこと。食事は吸収を遅らせること。
- National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA). Hangovers. niaaa.nih.gov (確認日:2026年11月6日)二日酔いの症状は血中アルコール濃度がほぼゼロに戻ったころにピークを迎え、24時間以上続くことがあること。注意力、判断力、協調運動が低下しうること。時間のほかに治す方法はないこと。
- National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA). Understanding the Dangers of Alcohol Overdose. niaaa.nih.gov (確認日:2026年11月6日)急性アルコール中毒の危険なサイン。すべての症状がそろうのを待たないこと。飲むのをやめた後も血中アルコール濃度が上がり続けうること。助けを待つあいだにすべきこと。
- National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA). Drunk Driving. nhtsa.gov (確認日:2026年11月6日)0.02g/dL以上の血中アルコール濃度が運転に及ぼす影響。少量でも運転に影響すること。自分の濃度や能力の低下を自分で判断するのは非常に難しいこと。
- NHS (UK). Alcohol poisoning. nhs.uk (確認日:2026年11月6日)急性アルコール中毒の症状と、助けを待つあいだにすべきこと、してはいけないこと。
- UK Department for Transport. THINK! Drink driving. think.gov.uk (確認日:2026年11月6日)法定の基準値以下にとどまるためにどれだけ飲めるかを、確実に計算することはできない。平気だと感じても、運転に影響がないとは限らない。
- 厚生労働省 e-ヘルスネット (Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan). アルコールと交通事故 (Alcohol and traffic accidents). kennet.mhlw.go.jp (確認日:2026年11月6日)日本では血中アルコール濃度を%で表す(道路交通法では0.03%以上が酒気帯び運転にあたる)。
- 厚生労働省 e-ヘルスネット (Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan). 飲酒量の単位 (Units of drinking). Higuchi S; updated 23 December 2022. kennet.mhlw.go.jp (確認日:2026年11月6日)日本:近年、純アルコール10gを1ドリンクとする基準飲酒量が取り入れられている。従来の「1単位」は日本酒約1合(180ml)で、アルコール約20g。
- 厚生労働省 (Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan). アルコール換算表 (Alcohol conversion table). Kurihama, 2010. mhlw.go.jp (確認日:2026年11月6日)日本:1ドリンクは純アルコール12.5mlまたは10g。ビール500ml=2.0ドリンク、15%の日本酒1合(180ml)=2.2、12%のワイン120ml=1.2、7%のチューハイ350ml缶=2.0。